菜の花を支えてくれる人たち :『農業を通じて、子どもを見つめる~農業経営者・浅本克彦~その2』
畑に子どもたちを迎え入れる…
ただ場所を提供するだけなら誰でも何処でも探せばあるかもしれない。
その時、効率や合理性、目先の収益や採算で、子どもたちのやりたいことを制限し、
収穫の時だけ、この区画だけといった限定的な体験ではなく、
あさもっちゃんは、子どもたちが育ち合う場所として、
年間を通じて畑で過ごせるように、環境を整え、心を砕いた。
子どもたちは、水を張った田んぼや畑で泥んこになって遊び、魚を追いかけ、苗を植え、
育ちを待ち、キュウリやトマト、玉ねぎやお芋など、季節の作物をもいで、口や車に運び、
焚火を起こして調理し、作物は園に持ち帰って、吊るして日干しする…
下は1歳児さんから、上は5歳児さんという、
決して初めから作業に長けているわけではない子どもたちの一挙手一投足の全てを、
大切に支え、見守ってくれているのである。
子どもたちは、目の前にある命の営みに心を動かし、仲間と深く繋がり、時に自分自身と向き合う。
あさもっちゃんが口にする言葉に、「ノウフク」という考え方がある。
「農業×福祉=ノウフク」
子どもやハンデさんや、多様な人たちが、ここで営む農業に関わって、繋がって、
一緒に育ち合い、輝き合える、そんな農業を目指したいと。
農業も福祉も、言葉にしてしまえば簡単に表現できるが、
それを、未来があって持続性のある農業、実があって笑顔が溢れる福祉といった中身を問われたら、
それが具現化できている状況や、それが掛け合わされた豊かな世界は、どれほどあるだろう。
それを、途上であれ、あさもっちゃんは自身に問い続け、日々行動し続けている。
あさもっちゃんが、保育でしてきたことも、農業でしていることも地続きであるのだと気づく。
そして、あさもっちゃんは、そんな子どもたちとの、
ながーーーーーーーーーーいお付き合いだけでなく、
全ての子どもたちが幸せな毎日を!と、色んな人や色んな場所が横に繋がりあい、
仲間の輪を拡げるよう挑戦を喜びに活動している。
香しいイチゴ狩りやイチゴ販売、竹林の中に分け入るタケノコ堀り、
京都のうまい有名中華屋さん「ふぁんふぁん」とコラボした筍焼売の発案、
美味しいお米や野菜作り、時には人前で話す講演会…
そうなのだ。たとえ数時間でも、どんな人でも、
畑のおっちゃんは、満面の笑顔で受け入れてくれる。
私たちは、何ができるだろう。
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あさも畑のたわわにゆうき | 新しい農業と福祉の形 (asamobatake.org)
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